【映画感想】沈まぬ太陽

エンタメ

映画を観るまでの経緯

沈まぬ太陽、聞いたことはあってもどういう映画化は全く知らず。山崎豊子のベストセラー小説が原作ということで、観てみることに。

観賞場所(鑑賞日)

テレビ録画を電車の中で(2024/2/24)

あらすじ

累計700万部を超える山崎豊子のベストセラー小説を渡辺謙主演で映画化。監督は「ホワイトアウト」の若松節朗。巨大企業・国民航空の労働組合委員長を務める恩地は、職場環境の改善を目指し会社側と戦うが、懲罰人事で海外赴任を命じられてしまう。パキスタン、イラン、ケニアと次々と転勤を強いられた恩地は、10年後に本社復帰を果たすが、帰国後間もなく自社のジャンボ機が御巣鷹山に墜落するという事件に直面する。

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登場人物

スタッフ
監督:若松節朗
製作総指揮:角川歴彦
製作:井上泰一
原作:山崎豊子

キャスト
恩地元:渡辺謙
行天四郎:三浦友和
三井美樹:松雪泰子
恩地りつ子:鈴木京香
国見正之:石坂浩二

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感想(ネタバレあり)

JALの小倉寛太郎という人をモデルとした映画とのこと。ナショナルフラッグである国民航空の不正、権力闘争、労組組合活動、御巣鷹山事故を背景に、一人の男の家族を含めた人生が描かれている。この映画を30歳代の独身のときに観ても、長いだけでとくに感じるものもなく終わっていただろう。家族、仕事、いろいろと積み上げてきたときにみたからこそ、興味深くみることができたし、とても面白かった。

恩地は本当に堅物というか一途な男で、自分の行ってきた労働組合活動について上層部に詫び状の一つも書いておけば、ある程度の地位と報酬が得られ、家族とも幸せに暮らすことができたと思われるが、それをしなかったのは、とても素晴らしい!と言いたいところだが、自分だったらとてもできないだろうなと思わわせる行動だった。もちろんフィクションの物語なので華美に描かれていると思うが、頑固一辺倒では世の中で(特に会社で)生きていくのは難しいように思う。お客の安全性は決してないがしろにはできないが。

それにしてもこの小倉さんの時代の日本人の働き方には驚かされる。生きていれば、今頃90歳を少し超えたくらいか。バブル崩壊後、派遣問題をはじめとして、いろいろな問題で日本企業の弱体化が叫ばれ、国が悪い、政治が悪い、企業のトップが悪いなど、自分以外の要因が悪いという論調が目立つように思う。しかし、かつての小倉さんの時代の日本人が今の現役世代にタイムトリップしたとしたら、かつての日本人流の怒涛の働き方で、現在の日本を再び、瞬く間にJapan as Number Oneへと復活させてしまうように感じてしまう。それぐらい今の80歳以上くらいの(終戦くらいに生まれた人まで)人には、今の80歳未満くらいの人とは違うオーラを感じる。結局いつの時代に生まれても、やる人はやるし、やらない人はやらない(やれない)のだろうと思ってしまう…

アフリカやフィリピンなど、いろいろなところに左遷される恩地だが、行く先々で渡辺謙の英語を話すシーンがあるが、いくらセリフとはいえ、かなりの英語力である。英語をたくさん話してきた口だなと感じた。これも英語の勉強をしている今だからこそわかるが、かつての自分なら気づかなかった点だろう。

この映画は、御巣鷹山事故について描かれているが、どこまでが真実でどこからがフィクションなのか、よくわからなかった。原作者はかなり聞き取り調査してかなり真実に近い物語をフィクションで伝えているとの情報もある。以前、墜落遺体(飯塚訓 著)という本を読んだことがあったが、事故の救出作業は壮絶で、遺体の状態もかなり悲惨なものであったことを思い出した。中には外国人の犠牲者もいて、事故の報告を受けて、家族が海外から死体を確認しにやってきて、確認するなり遺体を本国へ連れて帰るのかとおもいきや、後の処理は任せたと、自分たちはすぐに本国へ帰ったという記載があったように思う。国が変わると、生死感(遺体に対する思いなど)はずいぶん違うのだなあとその時は思った記憶がある。

映画情報

タイトル:沈まぬ太陽
公開年:2009年
上映時間:202分

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