本書を読むまでの経緯
気になっている投資信託を運用しているとても有名な方のお金に関する本であり、興味があって読んでみることに
本書の構成と要点
本書の章の構成および要点は以下のとおりである(参考サイト)。
はじめに
お金とはあくまで無職透明な概念に過ぎない。ただの数字である。つまり色がついていないからこそ、お金には私たちの考えや態度が100%反映される。
本屋に行けば、様々なお金を稼ぐ方法に関する本が売られているが、不思議なことに稼いだり貯めたり増やしたりする方法は語られているが、「どのように使うか」ということに関してはあまり語られていない。お金を使って何をするのか、そのお金を通して何を考えるのかという事はとても重要であり、それは誰かのためになったり誰かを応援することにつながったり、ひいては自分の幸福感と密接に関係してくる。
第1章 日本人は、お金が大好きで、ハゲタカで、不真面目
第2章 日本をダメにする「清貧の思想」
第3章 人は、ただ生きているだけで価値がある
1円も稼げない赤ちゃんも、経済主体の1人。なぜなら、赤ちゃんがいることによって成り立っている会社や産業があるからである。同様に考えると、消費活動を行っていない人はこの世に1人もいないので、人はただ生きているだけで価値がある。社会貢献とは何か新しいものを作り出すことだけではなく、消費することによっても成し遂げられる。
自他不二という言葉があるが、これはまさに互恵関係と同じ意味を持っている。自分の喜びは他人の喜びにつながり、他人の幸福は自分の幸福につながる。だから、みんなの幸せを考えることが最終的に自分の幸せを考えることにつながると言う考え方である。この感覚が強ければ強いほど社会に対して何かしなければと言う意識を生まれてくるし、具体的に寄付や投資といった活動にも結びつく。経済とは、その語源からして、みんなの幸せを考えるものである。すなわちお金を通してみんなの幸せを考えることである。
第4章 世の中に「虚業」なんてひとつもない
第5章 あなたは、自分の人生をかけて社会に投資している、ひとりの「投資家」だ
お金に支配された人生とは、自分のことだけを考えている。閉じた人生に他ならない。
作家の塩野七生さんが、成果主義はなぜ日本に合わないかを分析しているエッセイがあるが、その中で塩野さんは「日本人は歴史的に見ても安定を保証されないと力が発揮できない」と言っていた。心の安定とは変動・変化しないことでは決してない。変化と向き合い、変化をチャンスと捉え変化・成長を望んで実際に動くことであり、変化こそ安定である。
感想
具体的なお金の儲け方といったものではなく、お金の儲け方、消費の仕方などを通して、働き方や人生観を見つめ直すための本であったと理解した。頭ではわかっていてもなかなか行動に移すことはできないことも多いと思うが、日々の生活で、家族のため・会社のため・世の中のため、ひいては自分のためにより良くなるように頑張っていきたいと思う。
書籍情報
書籍名:投資家が「お金」よりも大切にしていること
著者:藤野 英人
出版社:星海社
発売日:2013年02月
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