本書を読むまでの経緯
一概に言うことはできないと思うが、なんとなくそうなんだろうなと思うことが本のタイトルになっていた。とても気になったので読んでみることに。
本書の構成と要点
本書の章の構成および要点は以下のとおりである(参考サイト)。
第1章 部屋を片付ければお金が貯まる(日常生活編)
なぜ部屋を片付けるとお金が貯まるのか、それは以下のフローに従うためである。
1.部屋を片付ける
2.モノとお金が見える化される(モノが多いことに気づく)
3.スッキリ空間の心地よさに目覚める
4.我が家のモノの適正量がわかる
5.「本当に必要なモノ」と「好きなモノ」がわかる
6.お金遣いに無駄がなくなり、家計にゆとりがでる
7.お金がたまり始める。
収入が少なくてもしっかりお金を貯めているタイプの人は「疲れた」、「ちょっと喉が渇いた」という時に気軽にカフェに立ち寄ったりはしない。カフェで飲むドリンクは「ウォンツ」であって、「ニーズ」ではないことがわかっているからである。片付けも同じである。整理整頓ができない。モノが捨てられないという事は、自分にとってのニーズとウォンツの判断ができないために起こっていると言える。
過度の「もったいない」という思想は「モノを処分できない、片付けられない」行動の言い訳となっているのであれば、生活に弊害を及ぼしかねない。よって、いつか使うかも!と思うものは、一定の期間、例えば1年間といった期間を決めて、期限を過ぎても使う機会がないのであれば、思い切って処分するという方法を取るのが良い。
捨てるのが上手な人ほど貯めるのもうまい。新たなものは買わず、モノを整理して減らしながら使えるものを活用していくことは、家計管理する上でとても重要である。
第2章 お酒はコンビニで買えばお金が貯まる(お金の使い方編)
年収1千万円以上の人々に共通する時間の使い方は、以下の5つである。
1.常に優先順位をつける。時間を効率よく使うために、自分が何に重きを置いているか、価値観が明確である
2.物事の判断にかかる時間が短い。それを実行すべきかどうか迷ってる時間が最小限である。
3.やる必要のないことに時間を費やさない。気の進まない飲み会やネットサーフィン、ゲームなどはやらない
4.やらなければいけないことを後回しにしない。やるべきことに優先順位をつけ直前になって、焦ってストレスを感じることがない。
5.決めたらすぐ行動に移す。いつかやろう。では一生何も始まらない。
キャッシュレス決済の難点は、クレジットカードやQRコード決済など複数の決済を利用して管理が煩雑になりやすいこと、実際に使った時期とお金が出ていく時期が異なり、お金の流れが見にくいことなどが挙げられる。そこでキャッシュレス決済の利用後は、そのお金を使ったものとして、その分の現金を別の袋に分けるようにしておけば良い。要するにどのキャッシュレスを使っても計上するのは「使った日」にしておいて使える現金を減らしていく。アナログな方法であるがキャッシュレスによるポイントは稼げるし簡単である。またお金が減っていくのが目に見えるので節約の意識も高まる。
第3章 貯金をやめればお金が貯まる(お金の増やし方編)
副業において注意すべきは税金。副業で収入を得た場合、確定申告が必要かどうかは仕事の種類とその金額によって異なる。たとえば、会社員が仕事帰りにコンビニで働いた場合、給与所得となり、金額に関係なく確定申告が必要となる。一方、アフェリエイトや転売、ウーバーイーツなど、報酬として受け取る所得は雑所得(専業なら事業所得)となり、20万円/年以上の場合に確定申告が必要となる(報酬から、かかった経費を差し引いた額が20万円以上の場合)。
最近では働きながら、主体的に学ぶことや、学校以外での学びを含む言葉として、リカレント教育というものが注目されている。リカレント教育に対しては、国も支援を行っており、雇用保険の教育訓練給付金を活用して費用負担を抑えることもできる。
第4章 健康を大事にするとお金が貯まる(備える編)
第5章 家との向き合い方を変えればお金が貯まる(ライフイベント編)
介護は正解や完璧さを求めるものではなく、「まぁこれぐらいでよしとするか」くらいのスタンスでいなければ、長丁場になったときお互い疲弊してしまう。「親の介護は9割逃げよ」と言う本が参考になる。
第6章 SNSを控えればお金が貯まる(人間関係編)
イギリスの歴史、政治学者のシリル・ノースコート・パーキンソンは、「支出の額は収入の額に達するまで膨張する」という法則を提唱した。いわゆるパーキンソンの法則である。
他人のためにお金を使うと血圧が下がり幸福度が上がる。自分ではなく、他人のためにお金を使う事は健康にプラスになる上、幸福度を高める効果がある。これはカナダのブリティッシュコロンビア大学のエリザベス・ダン博士の研究から明らかである。
資産家と言えば、株式や不動産投資をして財を成したイメージがあるかもしれない。しかし、数億円くらいの資産を持っている人は、コツコツと地道にお金を貯め、勤勉に働き続けてきた人ばかりであり、一発あてたケースはこれまでのファイナンシャル相談においてゼロである。
おわりに
ローマの政治家、哲学者、詩人であるセネカの名言「難しいからやろうとしないのではない。やろうとしないから難しくなるのだ」という言葉がある。人間は行動する前にあれこれと考えてしまう生物である。メリットとデメリットを上げ、リスクを洗い出し、その回避方法を検討する。確かに考えることは大切だが、失敗する事はマイナスばかりではない。失敗が改善や成長につながることも少なくない。よって、ときにはエイヤとやってみることも重要である。
感想
説明や例えがとても具体的でわかりやすかった。お金を貯めるための方法に近道は無いこともわかった。地道に頑張っていきたい。
書籍情報
書籍名:お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか
著者:黒田 尚子
出版社:日本経済新聞出版
発売日:2022年03月18日
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