本書を読むまでの経緯
ホワイトデーのお返しに、ちびまる子ちゃんのコミックを買いに本屋にいったが、ふと本書が目に留まり、しかも何とも興味深いタイトルであったため、つい手に取って読んでみることに。
本書の構成と要点
本書の章の構成および要点は以下のとおりである(参考サイト)。
Chapter1 私がJAXAを辞めるとき
転職していった方々の話を聞くのはとてもに重要である。単線的であったキャリアの複線化に向けていろいろなケーススタディーを集めていく事はとても重要である。
老後の転職は100人いれば、100通りのセカンドライフがある。転職にテンプレートはなく、全てがオリジナルケースである。
Chapter2 中高年を取り巻く働き方の現状
Chapter3 中高年の働き方改革
DE&Iは、「出会い」と読み変えることができる。背景の異なる人たちといかにして、1日の半分以上を過ごす職場の中で、楽しく生きやすく働きやすくするのかを考えていく必要がある。
いきなり副業を始めることがハードルが高い場合は、まずは、ボランティア活動を通じ、キャリアの複線化にトライしてみるのも良い。
オーストラリアのフェルプス教授が2006年に行った、「腐ったりんごの実験」(Felps, W., Mitchell, 2006. How, when, and why bad apples spoil the barrel: Negative group members and dysfunctional group. Research in organizational behavior, Vol 27, 181-230.)が興味深い。チームのなかに意図的にエンゲージメントに低い仕掛人(Jerk<攻撃的な嫌な奴>、Slacker<非協力的>、Pessimist<愚痴や不満ばかりの悲観論者>)を送り込み、それがチームのパフォーマンスにどのような影響を与えるかをみる実験。いずれの仕掛人のチームも30-40%パフォーマンスが低下しており、周りにも攻撃的、非協力的、悲観的な雰囲気が伝搬してチームの雰囲気が悪くなった。一方で、パフォーマンスが低下しなかったチームもいくつかあったが、それらのチームには以下の特徴のリーダーがいた。
- 自分自身がチームの規範を示す
- 問題を見える化して、無理に解決するのではなく、課題を共有
- 話をよく聞き、良い質問をした
- チーム全体が目標に再フォーカスできるように促した
上記こそが、DE&IのInclusion、「心理的安全性」の効果である。仕掛人を含め、全員が、自分はこのチームにいても安全だという心理的安全性を与えることで、率直な対話が実現し、目標達成に向けて一緒に貢献しようとする意識が生まれる。仕掛人の悪い属性に対しても、見なかったことにするのではなく、顕在化したうえでやんわりと目標達成に向けて再度フォーカスしていく。
Chapter4 今こそ「弱さの情報公開」を
北海道浦河町にあるベテルの家は、当事者研究の先進例として知られる。ベテルの家は、精神障害のある人々が自立し、社会と関わりながら生活するための場所である。
Chapter5 女性の退職・転職論
Chapter6 定年前退職から始まるセカンドキャリア
50代に入ったら60歳以降の長い人生を見据えて、まずは自分の能力の棚卸しを行う。これまでの社会人経験をベースに自分はどうなりたいのか、またどんな仕事をやってみたいのかっていうの自問自答することから出発してみる。またこれは使えるスキルかもしれないという得意技を見つけ出すよう努める。
また、その時に大切なのは、お金の棚卸しも同時に行う。自分の総資産額や年金がいくらぐらいもらえるのかというのを理解しておく。
多彩な才能を生かす職場をつくるためには、所属するメンバーが各人の力を最大限に発揮できるようなチームビルディングを行う必要がある。その指針となるのが、タックマンモデルと呼ばれるものであり、1965年に提唱された概念で、以下の手順で進める。
- フォーミング(形成期):顔と名前が一致するように、リーダーが手動して、パーティなどを行う。
- ストーミング(混乱期):お互いに否定し合い、批判しあう。日本人は嫌われたくないという気持ちがつよく難しいかもしれないが、アメリカ流は、顔を知った後、一度は互いの差を際立たせることが重要であると考えられている。
- ノーミング(統一期):ストーミングの後、どうすれば互いに妥協できるかを探り、目標に向かって統一されていく過程。ここで、全員が同じ方向を向き始める。この段階で、リーダー主導型から、ボトムアップ型に変わり、フォローワーである部下から積極的に意見が上がってくる。ノーミングでは、リーダーは交通整理の役割を果たし、意見の合わないメンバーが「本来の私の考えと違いますが、このチームのやり方は正しいので、全体の方針に従います」と心から言えたら成功である。
感想
50歳から始めるリタイア後の準備のお話というよりも、腐ったりんごの実験やチームビルディングの話がとても役立った。
書籍情報
書籍名:宇宙飛行士・野口聡一の着陸哲学に学ぶ 50歳からはじめる定年前退職
著者:野口 聡一
出版社:主婦の友社
発売日:2025年2月27日
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