旅行までの経緯
2023年11/23~26の飛び石連休が、娘と妻、自分の全員が4連休という奇跡が起きた。このような機会はしばらくこないだろうから、どこか普段行かないところへ行こうと考えた。しかも、時間に余裕があるので、移動に時間がかかりそうな東北地方にしようと考え、いろいろと考えた末、福島県に行くことに決めた。全員福島県に行ったことはなく(というか東北地方も初めて)、どれくらい寒いのか、どのような観光地があるのか、手探りで一から調べて行ってきた。
宿泊した部屋
会津中ノ沢温泉 花見屋旅館・2Fの和室(多分全室和室)
- HPにはリニューアルした綺麗な和室が示されていたが、かなり年季の入った和室だった。寒いだろうから暖房の効きは心配していたが、エアコンとガスファンヒーターが設置してあり(どちらも新品ぽい)、寒い思いをすることはなかった。
- 部屋に風呂はなく、共同浴場のみ。
- テレビ、ドライヤー、電気ポットも新しくよかった。
- トイレは部屋の入口近くに設置してあり、結構年季ははいっているものの、まぁこんなもんでしょうという感じ。
- 布団は厚手の掛布団が1枚だけ。暖房をかけて寝れば寒い思いをすることはないが、寒がりの人は浴衣だけでは寒いかも(スウェットやパジャマがあるとよい)。
設備概要
- 場所:猪苗代湖の少し北に位置する。地図上は少し北に車でいけばよいかな?という程度で考えていたが、かなり山を登るため、山道に慣れていない人は結構怖いかもしれない。また、街灯もほとんどない山の中で、最寄りのコンビニも車で15分程度かかる。食事なしで泊まる場合は、コンビニで必要なものを買い込んでいった方がよい。また、旅館へ行くには東側から山を登るか(高速:磐梯熱海IC側から)、西側から山を登るか(高速:猪苗代磐梯高原IC側から)のどちらかだが、西側を強くお勧めする。理由はコンビニはあるし、走りやすいため。東側は街灯もない山道で暗くカーブも多く、結構怖い。明るいうちに走るのはいいが、夜は初めてなら結構怖いと思う。
- 風呂は、日本庭園のある露天風呂と内湯の大浴場、さらに貸し切りの家族湯がある。おそらくこの旅館の最大の魅力は温泉。自分には若干熱めだったが、露天の解放感は最高。泉質もいいかんじで、最近皮膚トラブルが多くて困っていたが、かなりすべすべになった。また、中ノ沢温泉は、単一の湧出口からの湧出量は日本一とのこと。
- 駐車場:無料。停め放題という感じで、とても広い。
食事
朝夕の食事はなしのプランであったが、HPを見る限り、美味しそう。おつまみを買って帰ったときは、快く食器や醤油、お箸を準備してくれた。
スタッフ
初日、チェックインは20:00くらいになる旨、伝えていたが、旅館に到着したら、フロントの電気が消えて扉が閉まっていた。まさか締め出された?と不安になったが、扉にカギはかかっておらず、フロントでベルを鳴らしたら出てきてくれた。スタッフの方は少人数で対応されていて大変そうだったが、とてもやさしく対応してくれた。
今回の旅程
2023/11/23(木)
- ANAとIBEXのコードシェア便で、伊丹空港から福島空港へ行った。朝は伊丹空港内のNICK STOCKでモーニングを食べた。なかなかリーズナブルでゆっくりできてよかった。手荷物検査場を通り過ぎれば結構広めのフードコートがあるが、手荷物検査場の外の飲食店街は小さな店が乱立しており、あまりゆっくりはできない感じ。飛行機は1時間弱くらいのフライトだったが、左手には日本アルプス、右手には富士山がはっきりと見れてよかった。
- 福島到着して大阪よりも暖かい!?と思うほどの気温。さっそくレンタカーを借りた。コンパクトカーと聞いていたのでビッツかなにかかな?と思っていたら、立派なプリウスだった。早速最初の目的地である東日本大震災・原子力災害伝承館へ。福島の道は、たまたま通った道だけなのかよくわからないが、とにかく道が広く、信号がほとんどなく、空いている。よって、飛ばし放題。下道でもほとんどの車が70キロ前後くらい出していた。暖かいときにぜひバイクで走りたい。しかし、飲食店やコンビニはほとんなかった。
- 東日本大震災・原子力災害伝承館:
伝承館のある双葉町に着いたら、そこはテレビで見ているとおり、津波で流されたあと、いくつかの最近建てたであろう建物がぽつぽつある以外は、まったく何もないだだっ広い土地だった。ここが津波で流された場所なのかと思うと鳥肌がたった。伝承館につくと、何人かの訪問者がいて(外国人もいた)、僕らも原発事故について学んだ。5分間の津波のビデオを閲覧したのだが、1960年代くらいから現在までの双葉町のストーリーが5分に凝縮されており、とてもわかりやすかった。また、施設の周りはほとんどが津波でながされ、何も残っていなかったが、一つだけ民家が奇跡的に流されずに残っており、あれほどの津波で流されないとは、いったいどの業者がどんな施工をした家なのか...見学後、海沿いの防波堤を見たかったが、すぐに真っ暗になったので、みれなかったのが残念。海が大好きな自分としては、よくぞこんなことやってくれたなという感じ。きっと海が好きな地元の人も同じ気持ちではなかろうか。そんな100年に一度くるかこないかわからない津波のために、防波堤を何キロもたてるよりも、そこに住んでいる人を安全なところに移住させるための費用を工面してあげたほうが良いような...だいいち次に津波がくるときまで、この防波堤は機能を保てるのだろうか... - 晩御飯:
見学の後、みちの駅なみえで晩御飯を食べようと思ったが、閉まる直前だったので、あきらめてそのまま帰ることに。帰る途中でなにかあるだろうと思ったが、飲食店どころかコンビニもなし...地元の人は困らないのだろうかと思っていると、ポツンと一つラーメン屋を発見。この先何もないかもと思い、とりあえずそのラーメン屋に入ることに。適当に入った割には、とてもおいしいラーメン屋だった(麺処さとう 船引店)。しょうゆ、背油しょうゆ、濃厚エビみそ、どれも最高だった。 - 旅館:
旅館は猪苗代湖から少し北くらいと思ってたが、北は北でもかなり山を登ったところだった。かなりの山奥で古びた温泉宿で、しかも街灯もない山道なので、とても運転が怖かった。街灯もなくほとんど車の通行もなく、こんなところで車にトラブルでもあったら、寒くて車のなかで過ごすのも限界があると思うので、若干命の危険さえもあるような...やっとのことで旅館についてお風呂だけ入った。まわりにコンビニなく、仕方なく旅館の、自販機でビール飲んで明日があるので、早めに就寝。
2023/11/24(金)
- 朝ごはん:
前日は早めに寝たせいか、家族全員すっきり目覚めた。朝食はつけてなかったので、近くのコンビニへ(車で15分が最寄とは...)。昨晩はどれだけ走ってもコンビニがなく、ローソンが見えてきたときは、たかがコンビにに「なんてありがたいのだろう」と思ってしまった。軽く食べて、いわき市へ。 - ランチ:
旅館から高速で100キロくらい運転し、いわき市のいわき・ら・ら・ミュウへ。ここは海産物の市場で海鮮も販売しているし、食べるお店もある。海産物をその場で食べることもできたので、おおきな牡蠣をいただいた。いわき市では捕れないらしく、岩手産の牡蠣だったが、とても大きくおいしかった(2個で1000円で、娘はパスしたので、夫婦でいただいた)。その後、いろいろなお店が入っていたが、地元の海鮮を出してくれるお店を聞いて、結局和食処 とのがみ 小名浜店で海鮮丼とお寿司をいただく。とてもコスパが良くおいしかった。 - スパリゾートハワイアンズ:
ランチ後、スパリゾートハワイアンズへ行った。ここは、以前「フラガール」という映画を観た時に、いつか機会があれば行ってみたいと夫婦でいっていたので、念願かなっての訪問となった。なぜこんな東北の田舎にハワイっぽい施設が?と思われるが、経緯はWikipediaの記載がわかりやすい(HPにも施設にも歴史は示されていなかったが、もっとアピールして良いように思う)。入場料を払えば、プールと温泉が利用でき、娘は流れるプールが気に入って何周も楽しんでいた。フラダンスショーも見たがとても優雅で、ファイヤーナイフダンスも迫力満点で楽しめた。SS席を事前予約していたが、SS席の人は、ショーの後にダンサーと写真撮影ができるという特典があった。予約するときにそのような特典を知らずに予約していたので、とてもうれしかったが、もっとアピールして良いように思う(自分が見過ごしていただけかもだが)。結局娘が気に入りすぎてなかなか帰ろうとしなかったため、18:00くらいまで過ごし、結局晩御飯も施設内の「そば処 与市」で食べた。与一は感じの良い和風のお店だったが、濡れた水着のまま入ることができた。座敷の座布団の上にバスタオルを引いてくれてとても気が利く対応だった(ただ、羽織るものを持っていないとかなり寒いと思われる。水着はウチの家族だけだった)。 - 旅館への帰宅
19:00を過ぎており、すっかり暗くなっていたが、これから100キロくらい高速を運転して帰らないといけない。何とか高速を飛ばして、今度はちゃんとコンビニへ寄って朝食をゲットしてお風呂に入ってビール飲んで就寝。1日目のお風呂は熱くて入るのが大変だったが、この日の夜はとても寒く、お風呂の温度も若干低く、気持ちよく入れた。
2023/11/25(土)
- 出発の準備
朝起きたら、かなり冷え込んでおり雪が積もっていた。今日は山奥へ行くため運転大丈夫かな?と思ったが、雪が積もっていた方が東北っぽいので、良い写真が取れそうだと前向きにとらえる。朝車をみると、かなり雪が積もっており、隣で車の雪かきをしているおじさんにやり方を教えてもらう。車用スノーブラシなるものが旅館の玄関に何本か置いてあり(東北以外ではお目にかかれなさそう)、それで雪下ろしする。冬は毎朝この作業から一日が始まるのかと思うと、毎朝はとてもやれないと思うので、マジで東北の方を尊敬する。 - 出発
あたりは一面雪景色。スタッドレスタイヤをはいた車を運転するのも初めてだったので、低速で出発。途中、なんと道路に野生の猿の集団が現れ、かなり焦った。畑に食べ物を探しに来たのだろうか。最近街中に熊が出没して人間を襲うニュースが多かったので、熊ではなく猿でよかった。とくに何の被害もなかった。まずは本日の第一の目的地である大内宿へ向かう。途中コンビニやガソリンスタンドのスタッフの方に大内宿への行き方や雪の日の走行について聞きまくったが、誰に相談しても親身になって回答してくれる。ホント福島の方は皆さん優しい! 大内宿は結構標高の高い場所にあり、山をひたすら登って行った。標高が上がるたびに積雪量も多くなり、スタッドレスで行けるのかな?と思ったが、滑ることもなく走ることができた。昔タイヤにチェーンやゴムチェーンを付けて走ったことがあったが、雪の積もっていないところでは、基本外した方が良いと言われ、つけたり外したりが大変でかなり疲弊したが、スタッドレスは雪の有無は関係なく付け替え不要なので、とても便利だった。 - 大内宿
大内宿は江戸時代の街並みを今に残す宿場であり、かなり山奥であると旅館の人から聞いていた。大内宿へいく山道では、ほとんど対向車には遭遇せず、前後にもゼロ。山の中の雪道を不安な気持ちもありつつ進んでいったが、大内宿へ着いたらたくさんの車・バスが駐車場に止まっていて、大勢の人でにぎわっていた。昼近かったので早速ねぎそばで有名な三澤屋へ。しかし結構待っている人がおおかったので、山本屋へ。くるみ蕎麦というくるみのペーストがかかっている蕎麦が有名だそうで、少し濃厚な味がしてとてもおいしかった。高遠(たかとお)そばは大根おろしの大根汁に好みで醤油を垂らして食べるスタイルだったが、こちらもスッキリした味わいで最高だった。スタッフの方の対応もよく店内の雰囲気もよかったので山本屋にしてよかった。
昼食の後は吹雪の中(パウダースノーを初めて体験)、古民家の間の真ん中の道を北上していった。いろいろな蕎麦屋やお土産屋、カフェ、宿など、趣のあるいろいろなお店が軒を連ねている。軒下から巨大な氷柱が垂れ下がっていたが、氷柱をみたのは何年ぶりだろうか。子供の頃は頻繁にみていたように思うが、温暖化の影響か。娘はもってきたワンちゃんのぬいぐるみを雪のなかに放り投げて、自分もそのなかに入り、一緒に写真を撮って楽しんでいた。一番北側の小高い展望台になっているところがあり、その近くに子安観音があった。妻と娘はそこまで登るには足場が悪そうだったので登るのはやめたので自分だけ登ってみた。展望台からは大内宿が一望でき、雪もつもっており、なかなか壮観。
あまりの寒さと、この後会津若松にも行く予定だったので、早々と車に戻り、会津若松へ。 - 会津若松
白虎隊記念館へ向かったが、とても細い道を登っていく必要があり、車で行くのは難しそうだったので断念。七日町通りへ向かい、街歩きすることに。七日町通りにはレトロな建物やカフェなどが多く、太郎焼総本舗へ入った。このカフェでは街歩きスイーツセット(ソフトがのった太郎焼きとコーヒーのセット)をいただいたが、太郎焼きが百円台でしかもコーヒーとセットで500円とはなんという破格! このカフェは居心地が良すぎてついつい長居してしまった。周りが暗くなってきたので、慌てて次の目的地の鶴ヶ城へ。しかし時すでに遅しで、もうすぐ閉まるところだったので、城をバックに写真だけ撮った。 - わっぱ飯
福島名物のわっぱ飯を食べに、田季野へ。とても趣のある老舗のようで、店内はとても雰囲気がよかった。わっぱ飯とそば(ネギが一本ついている)のセットと小露を注文した。わっぱ飯は海鮮や山菜がふんだんに御飯の上に乗っていてとてもおいしかった。小露はお祝いのときに食べる郷土料理のようで、とてもあっさりした優しいお味。そばのネギは妻はカジっていたが、これは箸としてつかうだけなのか、それともカジって食べるものなのか...? なんにしても、本格的な福島郷土料理を食べることができて満足して店を後にした。これから車で旅館まで帰る必要があったため、お酒は飲めなかったが、最終日なのでスーパーで他の郷土料理(馬肉、イカニンジン)と福島のお酒(月弓)などを購入して、旅館で二次会を実施。馬肉で有名な熊本県では、ニンニク醤油で食べるが、福島県はからし味噌と醤油で食べる。イカニンジンはその名の通り、イカと人参がきんぴらのように和えられたもの。どちらもお酒に合いとてもよかった。福島県は食べ物はお手頃な値段のものが多かったが、日本酒は自信があるのか、西日本に比べ結構強気な値段設定だったように思う。
2023/11/26(日)
- 楽しかった旅行もあっというまに最終日。今日はお昼過ぎのフライトのため、観光は野口英世記念館のみ。宿のスタッフの方にお世話になったお礼を言って、野口英世記念館へ向かう。今朝も猿の大群に出くわす。これが日常の風景だとは...
- 野口英世記念館
猪苗代湖の湖畔に野口英世の生家があり、そこが記念館となっている。野口英世は黄熱病患者を治すために戦っている最中に自分もかかってしまって命を落とした人というくらいの知識だった。しかし、黄熱病以外にも功績は多く、とても熱心に勉強・研究を積み重ねて、多くの国の人の命を救ったのだと今回初めて知る。さすが千円札の顔となるだけの人だなぁと感心した。しかも英世は本名でないことも初めて知って(本名:清作)、それも驚きだった。 - 喜多方ラーメン
今回の旅のどこかで喜多方ラーメンを食べたかったが、チャンスがなく諦めていたが、なんと記念館の隣にあるのを記念館の方に教えていただいた。ドライブイン磐尚という、ラーメンだけでなく、いろいろなメニューがある地元の人でにぎわっている食堂だったが、喜多方ラーメンを注文。醬油ラーメンだがしょっぱすぎずとてもおいしかった。 - 空港についたら、すぐに車をレンタカー会社に返却。4日間の総走行距離は88413-87702=711Kmで、総使用ガソリンは33.86Lなので、燃費は21Km/L。高速移動が半分くらいとはいえ、さすがプリウスの燃費の良さ。空港で何か福島のお土産を購入。なぜか北海道物産展が行われていて(中国の輸入中止の影響?)、それがかなりのプレゼンスだった。帰りも行と同じコードシェア便で伊丹空港へ。伊丹空港から家までバスと電車を乗り継いで帰宅したが、全員クタクタ。あっと言う間の4日間で初めての福島県訪問だったが、とても楽しい旅行となった。
全体的感想
なんにしても、初めての福島県、初めての東北訪問で、レンタカーを借りて、700kmも走って、事故もなく、ケガや病気もなく旅行を楽しめたことがとても幸いだった。また、近くにコンビニさえない生活や、津波で流された場所を目の当たりにして、何と日ごろ恵まれた生活をしているのかと改めて認識できたのはよかった。3/11だとまだかなり寒かったと思うので、避難所での生活は想像を超える大変さだったと思う。今後も東北を機会があれば攻めたいが、今後のLessons Learnedとして、
- 宿泊するホテルは、温泉とか珍しさを追求せず、無難な全国展開している宿(ドーミーインやアパホテルなど)とする。勝手知ったる作りになっているので、イレギュラー対応が減り、さらにそれらは通常街中にあるため、渋滞にはまるリスクはあるものの、地方の県であれば、コンビニなどemergency対応も可能。
- 事前に行きたいところリストを作成する際は、電話番号もメモしておく。レンタカーで行先登録するとき、建物名や住所から検索するのもよいが、意外と面倒。記念館やレストランなど、電話番号をメモしておくと、電話番号検索するのが早くてよい。
コメント