【映画感想】Codaあいのうた(2021年)

エンタメ

映画を観るまでの経緯

Codaあいのうた、どこかで聞いたタイトルだなと思っていたら、以前妻が劇場で観てとても良かったと言っていた映画だった。それがもう地上波で放送されるのかと驚き、さっそく録画。仕事で忙しくなかなか見れなかったが、お盆期間中に実家から戻る途中、悪天候で新幹線に長時間閉じ込められたときに鑑賞。

観賞場所(鑑賞日)

新幹線のぞみの自由席(2023/8/16)

あらすじ

豊かな自然に恵まれた海の町で暮らす高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で一人だけ耳が聴こえる。陽気で優しい家族のために、ルビーは幼い頃から“通訳”となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブを選択するルビー。すると、顧問の先生がルビーの歌の才能に気づき、都会の名門音楽大学の受験を強く勧める。だが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業の方が大事だと大反対。悩んだルビーは夢よりも家族の助けを続けることを選ぶと決めるが、思いがけない方法で娘の才能に気づいた父は、意外な決意をし・・・。

公式サイト

登場人物

スタッフ
監督:シアン・ヘダー
製作:フィリップ・ルスレ、ファブリス・ジャンフェルミ、パトリック・ワックスバーガー、ジェローム・セドゥ
脚本:シアン・ヘダー
キャスト
ルビー・ロッシ:エミリア・ジョーンズ
フランク・ロッシ:トロイ・コッツァー
ジャッキー・ロッシ:マーリー・マトリン
レオ・ロッシ:ダニエル・デュラント

映画.com

感想(ネタバレあり)

主人公のルビー以外の家族3人は耳が聞こえないという設定だが、どうやったらこんな手話を用いた迫真の演技ができるのかと思ったが、ルビー以外の家族はリアルに耳が聞こえないとのこと。納得したのと同時に、まさに自分のこれまでの人生の苦難をぶつけるような素晴らしい演技だった。ルビーの歌声も素晴らしく、歌手なのかなと思ったが、女優さんとのこと。

耳が聞こえない故に、仕事(漁師)や実際の生活(酒場)の場など、他人と交流する際の苦労と気持ちが通じ合わない悲しさが随所に描かれていた。特に、ルビーがステージで歌うシーンでは、家族はもちろん耳が聞こえないので、ルビーの歌声は聞こえないが、実際に劇中音声が無音になり、映画を観ている人もも耳が聞こえない人と同じ状況が体感できる瞬間があった。自分に置き換えて考えると、自分の娘の晴れ舞台でその歌声が聞こえないなんて、とても耐えられない状況である。

ルビーが音楽大学に進学する意思を家族に伝えたときの、家族からの反応が何とも切なかった。家族は自分たちと他人との意思疎通のための通訳者がいなくなることを恐れ、ルビーに家に残って漁関連の仕事を手伝うよう求めた。特に母親は能天気というか、自分のことしか考えていないというか、娘の将来の可能性をつぶしてしまうことについて、少しも後ろめたさはなさそうだった。本当にありえないし許せないと感じたが、自分が障がい者だと同じような態度をとるだろうかと考えさせられた。最近はヤングケアラーという社会問題も深刻化しているが、今は絶対に子供の世話にはならない、子供に自分のケアをさせるなんてとんでもないと思うが、実際に自分が年老いて何もできなくなったら、子供を頼るような人間になるのだろうか...そうはなりたくないので、末永く働けるよう今から備え、介護ロボットが充実した未来になることを今から祈るばかりである。

それにしても、最後は家族もルビーの進学に賛成して、ルビーも大学入試をパスして、無事に自分の人生に向かって旅立つが、家族関係自体は言いたいことがお互いに言える、とても良い家族であった(自分もなんでも言い合える家族でありたいものです)。健常者、障がい者、両方の視点から描かれた、ヒューマンドラマ(かつラブストーリーも)であった。さらにはルビーの劇中歌の歌詞が登場人物の置かれている状況とマッチしていて感動的であった。

映画情報

タイトル:Codaあいのうた
url:https://gaga.ne.jp/coda/
公開年:2021年
上映時間:112分

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