【書評】1年で億り人になる(戸塚真由子)

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本書を読むまでの経緯

先日ニュース番組を見ていると、行き過ぎたGDP志向(環境や平和を壊してでも利益を優先するという考え)が問題となっており、世界的に資本主義経済のあり方が限界にきているとのこと。一方でブータンのように、国民の幸せにフォーカスしたGNH(Gross National Happiness:国民総幸福)という指標を掲げた国もあるとのこと。どちらも大切とは思うが、平均的な会社員である私としては、相変わらず日々、あれが欲しい、これが欲しい、あれが食べたい、どこか行きたいという無限の欲求に埋もれて、目先の小銭を少しでも搔き集めようとしている自分が情けない。しかし、家族ある身だと立ち止まってお金と幸福度のどちらが大切かをゆっくり考えることはできそうもない(月曜日が始まると有無を言わさず日々の業務が押し寄せてくる)。また、ちょっと頑張ったくらいでは満足のいく収入も得られそうもない。手っ取り早くある程度の収入を得ることができないかなぁ(これができれば誰でもやっているという話ですが)と思っているところで、「1年で億り人になる」という何とも身もふたもないというか、怪しいというか(著者の方、すいません、単なる初見で思ったことです)、挑発的なタイトルの本を見つけてしまった。スルーするつもりが、Amazonのレビューをみたところ、結構よかったのと、もしかして自分にもできる方法かもという一縷の望みもあり、ついつい買ってしまった。

本書の構成と要点

本書の章の構成および要点は以下のとおりである。

第1章:常識から逸脱せよ

  • 個人の資産はBS(バランスシート)脳で考える。そうすることで負債も資産としてとらえることができる。一方、売り上げから経費を引いて利益が残ると考えるPL(損益計算書)脳で考えてはならない。労働で得たお金を投資に回すのではなく、借り入れたお金に働いてもらう。
  • S脳で生活するため、様々なお金の集め方が紹介されている。特に、個人事業主または法人の設立が勧められている(借りる方法が多く存在するため)

第2章:人も時間も容赦なく見極めろ

  • 人生で大切なことは朝一で行う。重要度の低いSNSばかりに精を出していると、人生が雑用で終わる。
  • 見返りを求めず、相手のためを思って「先に与える」ことを心がける。与えるのは知恵やサポートでよく、これはお金がなくてもできる。周りに与えていると人が集まってきて楽しくなる。

第3章:お金集めを躊躇するな

  • 入門者向きの様々な資金調達法が紹介されている。特に親族から早めに相続する方法が勧められている(合法的な節税が可能なのと、早めに運用が開始できるため)。
  • 節税効果が高いため、サラリーマンでも法人を持つことが大切。融資を受けることができ、節税効果も高い合同会社が勧められている。
  • 法人の設立のやり方が紹介されている。
  • 銀行から融資を受ける際の注意事項が詳細に記されている(事業内容と定款が特に重要)。

第4章:「現物」に投資せよ

  • 不動産を中心とした様々な現物投資の例について記されている。

第5章:詐欺師を警戒せよ

  • 億り人になる道を阻む要因について記されている。
  • 詐欺師の見分け方が記されている。

第6章:日常に付加価値を与えよ

  • 健康には留意すべき。投資家ウォーレンバフェットの言葉「人間の体は一生乗り続けなければいけない、変えが利かない車。大切に似り続けなければいけない」

第7章:誰よりお金持ちに憧れて

  • とにかくお金持ちにあこがれ続けた著者の半生が詳細に記さられている。

感想

本書は、いわゆる節約してためたお金でインデックス投資をしましょう!というような、お金を安全に増やしていくような方法を説明したものではなく、多少一般人の常識を壊して富裕層の考え方に近づけてお金を増やす方法を説明した本である。多少リスクを負うことや(借入を行う)、面倒なこと(法人設立)などがでてくるが、富裕層はきっと普通にやっていることなのでしょう。本書に記載されている内容で、自分でもできそうだと思ったのは、上記下線部である。億り人を目指すためのアクションプランを具体的に示しており、とても丁寧でわかりやすい本だと感じた。また、著者の半生をみるに、当然のことかもしれないが、お金が欲しいというパッションは重要なのだなぁと改めて感じた。

書籍情報

書籍名:1年で億り人になる
著者:戸塚真由子(著)
出版社 ‏ : ‎ サンマーク出版
発売日 ‏ : ‎ 2022/11/18

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